看護師として点滴の滴下速度を計算するスキルは日常業務において欠かせません。成人用と小児用の輸液セットに応じた計算方法を理解しておくと便利です。この記事では、投与量、投与時間を使って簡単に滴下速度を簡単に計算する方法を成人用と小児用に分けてご紹介します。
看護師として点滴の滴下速度を計算するスキルは日常業務において欠かせません。特に、成人用の輸液セットを使う場合、効率的に計算する方法を知っていると、実際の現場での負担が軽減されます。この記事では、投与量、投与時間を使って簡単に滴下速度を計算する方法をご紹介します。
この方法だけ覚えておけば複雑な計算は不要です!
成人用輸液セットを使った滴下速度の計算方法
成人用の輸液セットで滴下速度を計算する際に使う公式はとてもシンプルです。以下の手順で、10秒あたりの滴下数を求めることができます。
計算式:
投与量(mL) ÷ 投与時間(時間) ÷ 6 ÷ 3 = 10秒あたりの滴下数
この計算式を用いることで、10秒間に滴下する回数を求めることができます。この数値を元に、実際に点滴が適切な速度で行われているかを確認することが可能です。
小児用輸液セットを使った滴下速度の計算方法
小児用の輸液セットを使用する場合、計算式は成人用と少し異なります。以下の手順で、10秒あたりの滴下数を求めることができます。
計算式:
投与量(mL) ÷ 投与時間(時間) ÷ 6 = 10秒あたりの滴下数
この計算式を使うことで、小児用の輸液セットを使用した場合の10秒あたりの滴下数を簡単に求めることができます。「÷3」の部分は省略します。※小児用は成人用の3倍滴下数が増えるため。
具体例での計算
成人用輸液セットでの滴下計算の具体例
例えば、成人用の輸液セットを使用して500mLの点滴液を2時間で投与する場合、10秒あたりの滴下数は次のように計算できます。
- 投与量(mL) ÷ 投与時間(時間)
- 500mL ÷ 2時間 = 250
- さらに6で割る
- 250 ÷ 6 = 約41.67
- さらに3で割る
- 41.67 ÷ 3 = 約13.89
結果として、10秒あたりの滴下数は約13.89滴となります。
小児用輸液セットの滴下計算の具体例
また、小児用の輸液セットを使用して600mLの点滴液を1時間で投与する場合、計算方法は次のようになります。
- 投与量(mL) ÷ 投与時間(時間)
- 600mL ÷ 1時間 = 600
- さらに6で割る
- 600 ÷ 6 = 100
結果として、10秒あたりの滴下数は10滴となります。
例えば、300mLの点滴液を3時間で投与する場合の計算を考えてみます。
- 投与量(mL) ÷ 投与時間(時間)
- 300mL ÷ 3時間 = 100
- さらに6で割る
- 100 ÷ 6 = 約16.67
結果として、10秒あたりの滴下数は約16.67滴となります。
計算のポイントと注意点
- 便利なアプリの利用:滴下速度を計算するのに不安がある場合や、視覚的に確認したい場合は、Apple Watchの「ドロップヘルパー」アプリを使用するのもおすすめです。このアプリは投与量と投与時間を入力するだけで、滴下の速度を視覚的に確認できるため、現場での計算を簡単にし、より正確な滴下調整が可能になります。
- 滴下速度は変動する可能性がある:滴下速度は、患者の体位やチューブの曲がり、環境温度など、さまざまな条件によって変動する可能性があります。そのため、計算通りにいかないこともありますので、定期的に滴下速度を確認することが必要です。
- 輸液セットの理解:成人用と小児用の輸液セットを誤って計算してしまうと3倍速く、もしくは遅く投与してしまいます。あらかじめどちらの輸液セットかしっかり確認をしましょう。
- 輸液ポンプの使用:正確に投与速度を合わせる必要がある場合は、輸液ポンプの使用を推奨します。輸液ポンプを使うことで、投与速度をより正確に管理でき、患者の安全性を高めることができます。
まとめ
看護師にとって滴下の調整が毎日行う業務です。忙しい業務のなかで、素早く滴下速度の計算ができて、滴下速度を調整することができると日々の業務が一段と効率的になります。
applewatchのアプリを使用することでより正確に滴下調整をすることも可能になります。
紹介した方法をマスターして点滴の速度調整を完璧に行えるようがんばりましょう!