この記事では無気肺について新人看護師さんでもわかりやすいよう説明し、いますぐに実践できるよう解説します
無気肺について簡単に確認
無気肺とは一言で
肺胞が虚脱(つぶれて)空気が入らなくなった状態
空気が入らないとガス交換ができなくなりSpO2低下や呼吸困難感などの症状を引き起こします
無気肺になる原因は?
- 痰などが気管支に詰まって、その先の肺に空気が入らなくなった
- 胸水や大きくなった心臓で肺が押し潰される
- 肺自体が硬くなって膨らみにくくなる
無気肺のハイリスク患者
- 高齢者や脊髄損傷など咳嗽の力が弱まっている方
- 間質性肺炎や肺線維症などで肺そのものが硬くなっている方
- 手術後や人工呼吸器管理中の方
無気肺の患者さんへの看護
治療は無気肺を引き起こしている原因を除去する必要があります。
ポジショニング
無気肺でもっとも多い原因は痰などの分泌物での閉塞といわれています
そして、看護師が主に力を発揮できるのも痰の閉塞などが原因の閉塞性無気肺に対してです
寝たきりの患者は長期臥床により、自己喀痰ができずに痰がたまりやすいです
仰臥位の状態では横隔膜の動きが制限されたり胸郭が挙上しにくくなります
車椅子に移乗して座ってもらったり、ギャッチアップして過ごす時間をつくることが効果的です
シムス位や腹臥位が可能であれば積極的に行いましょう
無気肺になっている側を上にします 体位ドレナージにもなるし、いい方の肺を下にすると血流の関係で酸素化が改善にもつながります
ギャッチアップでSpO2:92%がシムス位でSpO2:97%になるといった経験もあります
ただ、姿勢が苦痛になる場合もあるので、長時間にならないように訪室したりポジショニングに注意しましょう
呼吸音を確認する
口腔付近まで自然と喀痰があがってくれば痰がたまっているとすぐわかりますが、咳や痰がらみがないと痰の貯留になかなか気づけません エア入りの左右差と分泌部による副雑音を確認しましょう
空気の入りが悪くなってると思ったり、酸素化がわるかったり、呼吸状態がわるいときは報告しましょう 胸部XpやCT、気管支鏡による処置が必要になるかもしれません
痰が多かったり、痰が硬い場合は吸入を処方してもらったり排痰しやすいようにしてもらいます
まとめ
無気肺(閉塞性)は看護の力で改善に大きく関与することが可能です
また、ケア不足で無気肺が生じたり悪化する可能性もあります
リスクや現状を確認し 体位や排痰の介助を行っていきましょう
より詳しく知りたい方はこちらのサイトがおすすめです