感染症で重要な代表的な細菌3種類を解説~抗菌薬の選び方①~

治療

看護師のみなさんはじめまして、現役看護師のけろっぴです
この記事ではよくわからない抗菌薬について苦手意識をなくせるようわかりやすく解説していきます

抗菌薬を学ぶうえで

新人Ns
新人Ns

Aさんってなんでこの抗菌薬オーダーされたんですか?

先輩Ns
先輩Ns

えぇ…えっと…それは…


抗菌薬は病院で働くうえで毎日目にします
なんでこの抗菌薬なんだろうと実は自信をもって答えられる看護師はそう多くはないのではにでしょうか?
学校では学ばないし働いてからも教えてもらえない、たくさん種類もあってなんだか難しい印象ですよね 新人看護師に聞かれても答えられないなんてことも… 学べば奥が深い難しい領域ですが看護師に必要なのは抗菌薬をオーダーすることではありません 患者さんの治療を理解して診療の補助が行えれば十分なのです
それ以上の理解はわかると面白いですが看護師にとっては趣味の範囲かもしれません

抗菌薬について理解できれば患者の病態の理解に繋がります
治療内容や治療の段階を自信もって答えられるでしょう

まずは敵を知る

抗菌薬を学ぶ前に抗菌薬の敵である細菌についても最低限理解する必要があります
細菌を知らずに抗菌薬を学んでも遠回りになるどころかさっぱり理解できません

グラム陽性球菌 グラム陽性桿菌 グラム陰性球菌 グラム陰性桿菌 抗酸菌 リケッチア マイコプラズマなどなどその他たくさんありますが…

臨床で重要な3つの細菌の種類

まずは グラム陽性球菌 グラム陰性桿菌 嫌気性菌の3つを理解しましょう

グラム陽性球菌


ブドウ球菌 連鎖球菌 腸球菌 肺炎球菌

ブドウ球菌 (スタフィロコッカス)
皮膚にいることが多い
黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌
MRSAは黄色ブドウ球菌

連鎖球菌 (ステレプトコッカス)
咽頭や皮膚にいる
肺炎球菌 A群β溶血性連鎖球菌など

腸球菌 (エンテロコッカス)
腸や膣、外陰部にいる

肺炎球菌(ストレプトコッカス・ニューモニエ)
鼻腔や咽頭にいる

グラム陰性桿菌

腸内細菌目
大腸菌クレブシエラなど
腸管にいる 酸素に触れても生きられる

ブドウ糖非発酵菌
緑膿菌が代表
水回りやデバイスにいる
院内感染症で臓器問わず問題になるやっかいな細菌

(偏性)嫌気性菌 

プレボテラ属
横隔膜よりうえ(口や鼻)にいる

バクテロイデス属
横隔膜よりした(腸管)にいる

(偏性)嫌気性菌はβラクタマーゼという、βラクタム系の抗菌薬が効かない厄介なものを産生することがおおいので抗菌薬の選択するうえで重要な位置づけです

まとめ

グラム陽性球菌 グラム陰性桿菌 嫌気性菌が重要な細菌ということを把握しておけば今後の抗菌薬の学習が一気に理解しやしくなります 

どこに細菌が生息しているかを知っておけば感染症の細菌を予測することができある程度予測して抗菌薬を選択することができます 
入院歴や施設入所されているか自宅で生活していたか、腎機能や年齢、過去の抗菌薬治療歴や耐性菌も考慮して選択されますがこれらはあくまでも肉付け まずは上記の3つの分類の細菌を知り、それらに対して効く抗菌薬を選択していくことを覚えておきましょう
そのほかの菌は毎日みるわけではないので優先順位はこれらを完璧にマスターしたあとでOKです



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